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by sumipino1
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俳句の雑誌 篠(すず) Vol166

私の学生時代の一番か二番の友人の岡田史乃さんから篠が送られてきました。
文芸という雑誌を作っていて、授業も一緒、サークルも一緒で年がら年中行動をともにしていました。
私はかろうじて、作品を書くということを続けられていますが、岡田さんはずっと俳句一筋にやってこられ、しかも篠(すず)という俳句の雑誌を29年も続け、166号まで出されています。一途なところがあったのだなぁと感心しています。

166号を読んでみる。
岡田史乃さん
夏落ち葉はきよせる音隣りより
いつの間にすっぽり秋の中に居る
八月や終日病室の天井を
上の二句は、穏やかな生活の句で、安定感があって、落ち着いた生活を過ごされていることだと思っていましたが、三句目は病を得たようです。病気や老いることなど考えなかった時代の友だちです。お互いに気をつけて生きなければ・・・・

辻村麻乃さん
辻村さんは岡田さんのお嬢さん。親子で俳句の道を歩かれているのはとても羨ましいことです。
詩人の岡田隆彦氏のお嬢さんでもあるので、サラブレットのような血筋もあるのでしょう。
驟雨から帰宅する娘(こ)の温度かな
娘さんが帰ってきたことによって、家の中の空気が変わる、様子がかわるっということがよくあります。
松明に照らさるる畦蝙蝠飛ぶ
蝙蝠の句を今回二つばかりよんでいますが、私も蝙蝠がとても気になる存在です。ありありとその情景が浮かんできます。

植田良五さん
先日は植田さんの俳句集をいただき読ませていただいたので、(ブログにもアップ)何となく身近に感じます。
浮き輪して横断歩道渡くる
小さい子が海水浴に行くのだろう。はりきって横断歩道を歩いている様子が読み取れます。確かに浮き輪は持ちにくい。一番いいのはもう浮き輪をつけてしまうのが、運びやすい。
遠花火街の隅まで誘ひ出し
「ドーン」と音が聞こえてくると、たとへ少ししか見えなくても、外に出て見たくなります。

田中太津子さん
つかの間の虹いづくより生れしか
子どもの頃とても虹の存在が不思議だったのですが、虹のでき方を知ってから、あまり不思議とはおもわなくなりました。でも思ってもみなかった時に虹がパッと出てはっとすることがあります。
虹はステキなものです。
サングラス外し話は佳境へと
わかるわかる! これは男の人ではない、女同志の話。私なんかも・・・
田中さんの句は大らかにして繊細さをかんじます。

柴八千世さん
万緑に抗ふ原爆ドームかな
敗戦忌墓石に残る砲丸(たま)の跡
忌まわしき戦争の爪痕を残す句であり、ご本人もこだわって残したい句だと思います。
(かって私も創作で一つだけ戦後のことを書き残しました)
平和を続けるためには、原爆の恐ろしさや戦争のもたらしたものを忘れてはいけない。
訳あって遠廻りする立葵
どんな訳なのでしょう。上の二句の後に出されている句なので訳に関係があるのか気になります。

福地 靖さん
すごい句ばかり、たった5、7、5の文字なのに迫力があるものばかりです。
ボロ家あり群れ鳴く蝉のおそろしき
古書市や得体の知れぬ黴の本
頸の骨クキリコクリと鳴る大暑
いかにも男らしい大胆さを感じますが、どんな方なのか?

田中加代子さん
空蝉の二つ並べて置かれけり
蝉の命は七日間と言われていますが、5日間ぐらいはとても激しく鳴いているわけですが、抜け殻を見てもまた命のつきる頃、地面にひっくりかえっていたりしますが、哀傷を感じるものです。
電柱の蔭に一時秋暑し
今年の夏は暑くてたいへんでしたが、立秋を過ぎてからも暑さが残りました。
毎朝犬の散歩をしているのですが、犬も私も電柱の陰を踏んで歩きました。

笹目悦代さん
洗い髪並べて投げ出す君が為
大汗の君の瞳にぶつかりて
恋の句がいくつか載っていましたが、若い方なのでしょうか。読むだけで青春時代を思い出させてくれます。
行く我が何か置いての九月かな
何を置いたのでしょう・・・?
読み手に想像をうながす作品が多かった。

まだまだたくさんの人が寄せられているのですが、また何かの機会に・・・・
ありがとうございました。

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by sumipino1 | 2013-11-15 01:04 | そのほか | Comments(0)